平成15年度 春期 ソフトウェア開発技術者 午後1
問1 問2 問3 問4 問5 問6 解答例(若林研二氏) 
注:等倍フォントでご覧ください。 
 

問3
 インターネットのセキュリティに関する次の記述を読んで,設問1,2に答えよ。
 H社のネットワーク管理部門では,自社のシステムをインターネットに接続するこ
とにし,ネットワークセキュリティ方針(以下,セキュリティ方針という)を決定し
た。セキュリティ方針に沿って,ファイアウォール製品を購入し,システム構成を図
に示すものとした。

 H社が購入したファイアウォールの仕様を次に示す。このファイアウォールは,図
中のGate-way上で動作させるものとする。

〔ファイアウォールの仕様〕
(1)アプリケーションゲートウェイ型のファイアウォールである。
  アプリケーションゲートウェイ型のファイアウォールでは,内部ネットワーク上
 にあるクライアントパソコンがインターネット上にあるサーバとの通信を行う際に,
 ファイアウォール用のコンピュータが要求を中継し,クライアントに代わって目的
 のサーバとの通信を行う。また,TCP/IPプロトコルの上位層のサービス(http,
 https,ftp,smtp,dnsなどのプロトコルや,利用者が作成したアプリケーションサ
 ービス)に対してセキュリティ方針を定義することができる。

(2)ネットワーク上の資源を管理できる。
  ネットワーク上の資源(オブジェクト)とは,ネットワーク上に存在するコンピ
 ュータ(ホスト名,そのIPアドレス)やLAN(LAN名,そのIPサブネットアド
 レス)などの情報のことで,次に述べるセキュリティルールベースを定義する際に
 使用される。そこでは,ネットワーク上のすべてのコンピュータや,すべてのサー
 ビスを指す場合,特別な名称として“すべて”を使用できる。

(3)セキュリティルールベースの定義ができる。
  送信側オブジェクト,受信側オブジェクト及びサービスの種類の組合せに対し,
 ファイアウォールの動作(許可又は禁止)を定義したものの集合をルールベース
 (表1)と呼ぶ。セキュリティ方針をファイアウォールによって実現するには,ル
 ールベースを定義する必要がある。このファイアウォールは,到着したIPデータグ
 ラムに対し,定義されたルールベースを上から順に適用し,最初に適合したルール
 によってそのIPデータグラムに対する動作を決定する。
 
 
表1 ルールベースの例
項番 送信側
オブジェクト名
受信側
オブジェクト名
サービス名称 動作
すべて Gate-way すべて 禁止

 表1では、すべての利用者からGate-wayへのアクセスを,すべてのサービスで
禁止する(許可しない)ことを示している。

(4)アドレス変換機能を備えている。
  アドレス変換機能は,IPデータグラム内のIPアドレスを別のIPアドレスに付け
 替える機能である。この機能は,内部ネットワーク上から外部(インターネット
 側)へ向けて開始された通信に対して適用され,内部のネットワークで使用してい
 るIPアドレスを隠ぺいして,ゲートウェイ自身のグローバルIPアドレスだけを外
 部に見せるようにする。

設問1
 H社のネットワーク管理部門は,セキュリティ方針を次のように決定し,ファ
イアウォールヘ実装するためのルールベースを定義した。

表2“H社ネットワーク管理部門のルールベース”中の【  a  】〜
【  h  】に入れる適切な字句を答えよ。

(セキュリティ方針)
@インターネット側から来る電子メールは,必ず外部のメールサーバ(GW-
 mail)で受け,このメールサーバが内部のメールサーバ(Mail)へ中継する。
A利用者(インターネット側を含む)からのファイアウォール(Gate-way)
 への直接アクセスをすべて禁止する。
B内部のパソコンからインターネットヘのアクセスは,http,https,ftpの各
 サービスだけ許可し,必ずプロキシサーバ(Proxy)を経由する。
C内部のパソコンから外部のdnsサーバ(GW-dns)への直接アクセスは許可
 しない。必ず内部のdnsサーバ(Dns)を経由する。また,外部のdnsサー
 バ(GW-dns)から内部のdnsサーバ(Dns)への通信は許可しない。
D内部のパソコンから外部のメールサーバ(GW-mail)への直接アクセスは
 許可しない。必ず,内部のメールサーバ(Mail)を使わせる。また,内部の
 メールサーバ(Mail)から直接インターネットヘのメールを発信させない。
 必ず,外部のメールサーバ(GW-mail)が中継して,インターネット側へ発
 信する。
E内部のパソコンからのドメイン名参照は,内部のdnsサーバ(Dns)を使
 用する。
FWebサーバ(WWW)へは,すべての利用者(インターネット側を含む)
 からのアクセス(http,https)を認める。また,内部のパソコンからの直接
 アクセスも認める。
G“原則拒否の方針”を採用し,セキュリティ方針として言及していない通
 信は,すべて禁止する。
 
 
表2 H社ネットワーク管理部門のルールベース
項番
送信側
オブジェクト名
受信側
オブジェクト名
サービス名称
動作
すべて
Gate-way
すべて
禁止
【 a 】
WWW
【 b 】【 c 】
許可
【 d 】
すべて
http,https,ftp
許可
Dns
【 e 】
【 f 】
許可
GW-dns
Dns
dns
禁止
GW-mail
【 g 】
【 h 】
許可
Mail
GW-mail
smtp
許可
すべて
すべて
すべて
禁止

設問2
 H社の営業部門から,営業社員にモバイルパソコンを持たせ,顧客先などから
インターネットを経由して内部のパソコン(サーバ)ヘアクセスし,ftpプロトコ
ルを用いて情報をモバイルパソコンにダウンロードしたいという要望が挙がった。
しかし,ネットワーク管理部門で検討した結果,この要望は実現できないことが
分かった。
 ネットワーク管理部門の検討結果の【  i  】【  m  】に入れる適切な
字句を答えよ。

 (セキュリティ方針)を見ると,インターネット側からの【  i  】による
通信に言及していない。したがって,【  j  】によって,この通信は
【  k  】されている。
ファイアウォールの【  l  】によって内部ネットワークの【  m  】が隠
ぺいされているので,モバイルパソコンと内部ネットワーク上のパソコン(サー
バ)間で,【  i  】によるコネクションが確立できない。

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